夜間に「車が動かない」「事故や故障で走行不能になった」という状況は、昼間よりも不安が大きくなりやすいものです。 さらに夜は視界や環境の影響でトラブルが起きやすく、二次災害のリスクも高くなります。 この記事では、夜間の車トラブルでレッカーが必要になったときの相談先、搬送先の考え方、実費依頼の注意点を、現場目線でわかりやすく解説します。
夜間は車のトラブルが起きやすい理由
車のトラブルは昼夜を問わず発生しますが、夜間は特有の条件が重なり、トラブルが深刻化しやすい時間帯です。 実際、夜間のレッカー相談で多いのは次のようなケースです。
- 道が見えにくいことによる脱輪や縁石への乗り上げ:街灯が少ない道路や初めて通る道では、段差や側溝の位置が分かりづらくなります。
- 障害物に気づかずパンク:落下物や縁石、路肩の破片は夜間ほど見落としやすく、気づいたときには空気が抜けていることもあります。
- オルタネーター故障:ライトや電装品の使用量が増える夜間に症状が表面化しやすく、発電不足が進むと走行不能につながることがあります。
- ガス欠:夜間はガソリンスタンドが営業していない地域もあり、「次で給油」が通用しない状況になりがちです。
- バッテリー上がり:ライトや室内灯の消し忘れに加え、夜間は電装品の使用が多く、弱っていたバッテリーが限界を迎えることもあります。
昼間と夜間でレッカー対応はどう違う?
レッカーが必要になった場合、昼間と夜間では判断の軸が変わります。 とくに夜間は「修理」よりも「安全確保と移動」を優先するケースが多いのが特徴です。
昼間の特徴
- 整備工場やディーラーが営業していることが多い
- 搬送先をその場で決めやすい
- 状況によっては修理まで一気に進むこともある
夜間の特徴
- 整備工場やディーラーが閉まっていることが多い
- すぐに修理できない前提で「搬送先」を考える必要がある
- まずは安全な場所へ車両を移動する判断が優先
夜間は二次災害が起きやすい(安全確保が最優先)
夜間の路上トラブルで特に注意したいのが二次災害です。 故障車両への追突だけでなく、故障車に意識が向いた車が車外の人をはねてしまう事故も起きやすくなります。
まずは周囲へ「ここに停車車両がある」ことを確実に伝える行動が重要です。
- ハザードランプを点灯させる
- 発煙筒や三角表示板で周囲に注意喚起する
- 無理に車両のそばで作業し続けない(安全な場所で待機する)
さらに、高速道路や自動車専用道路では状況が別次元に危険になります。 警察や高速道路会社(道路緊急ダイヤル等)へ連絡し、安全対策を依頼することも検討してください。 夜間は「早く直す」より「事故を起こさない」ことが最優先です。
夜間にレッカーが必要になったときの相談先
夜に車が動かなくなった場合、相談先として一般的なのは次のような窓口です。
- JAF
- 自動車保険のロードサービス(任意保険)
- レッカー・ロードサービス会社
どこに連絡する場合でも、スムーズな対応のために場所と状況を整理して伝えることが重要です。 とくに夜間は、停車位置が危険だと対応手順そのものが変わることがあります。
任意保険に加入している場合は「搬送先未定」でも進めやすい
任意保険に加入している場合、レッカー依頼の時点で搬送先が決まっていなくても対応できるケースがあります。 夜間は整備工場が閉まっていることも多く、その場で「どこへ運ぶか」を決めきれないことは珍しくありません。
そのため、 いったんレッカー会社で保管し、翌日以降に指定場所へ搬送 といった流れが取れることもあります。 夜の段階で無理に決めず、翌日の動き(整備工場への連絡・受入可否など)を見据えて判断できるのは大きなメリットです。
夜間にレッカーを呼んだ場合、搬送先はどうなる?
夜間は「修理できる場所へ直行」というより、現実的な選択になります。 よくある搬送先の考え方は次の通りです。
- 一時保管場所
- 自宅
- 翌日あらためて整備工場・ディーラーへ搬送
夜間は「今すぐ直す」よりも、翌日につなげることが重要になります。 焦って遠方まで運ぶより、まずは安全に保管・移動して翌日に段取りする方が合理的なことも多いです。
実費でレッカーを依頼する際の注意点(夜間)
実費でレッカーを依頼する場合は、夜間ならではの確認ポイントがあります。 後から「思ったより高かった」とならないために、事前に次を押さえておきましょう。
- 基本料金の有無
- 夜間加算があるかどうか
- 搬送距離の考え方(どこからどこまでが対象か)
- 追加費用が発生する条件(高速道路・特殊作業など)
とくに重要なのが搬送距離で総額が変わる点です。 「どこまで運ぶか」を整理したうえで見積り条件を確認すると、判断がブレにくくなります。
帰りの手段も同時に考える
夜間トラブルで見落とされがちなのが自分の帰りの手段です。 レッカーの手配に集中すると、「車は運べたが自分が帰れない」という状況になりかねません。
- 現場が郊外や山間部で、公共交通機関がない
- 深夜でタクシーが捕まりづらい
- 同行者がいない・迎えを呼べない
レッカーを手配するときは、同時に帰りの手段も要確認です。 事前に保険会社やレッカー会社へ相談すると、状況に応じて最寄り駅までの移動手段の案内や、タクシー利用の考え方を提示してもらえることもあります。
待ち方が重要:車道の近くに留まらない
夜間のトラブルでは、故障車両に意識が向いてしまい、人の安全が後回しになりがちです。 実際、車外にいる人がはねられる事故は夜間ほど起きやすい傾向があります。
大切なのは「相手の車から自分がどう見えるか」を想像して動くことです。 具体的には次を意識してください。
- 車道の近くに留まらない(可能ならガードレールの外など、安全な場所へ)
- 暗い服装の場合は、光るもの(ライト・反射材)を活用する
- 無理に車両のそばで待ち続けない(安全な位置で待機する)
「早く状況を見たい」「積み込みを見ていたい」という気持ちは自然ですが、夜間は最優先が変わります。 まずは自分が安全な場所にいることを確保してください。
夜間トラブルで大切なのは「冷静な判断」
夜に車が動かなくなると、不安と焦りが強くなります。 しかし夜間は昼間よりも危険が多く、判断を急ぐほどリスクが上がります。
まずは安全確保を最優先にし、次に「相談先」「搬送先」「費用条件」「帰りの手段」を順番に整理していく。 この流れを知っているだけでも、夜間のトラブル対応は大きく変わります。
よくある質問
夜間に車が動かないとき、まず何をすべき?
まずは二次災害を防ぐため、ハザード点灯・発煙筒や三角表示板による注意喚起など、安全確保を優先してください。 高速道路の場合は警察や高速道路会社へ連絡して安全対策を依頼することも検討しましょう。
夜にレッカーを呼んだら、整備工場へ運んでもらえる?
夜間は整備工場やディーラーが閉まっていることが多いため、一時保管や自宅、翌日以降の再搬送など、現実的な選択になるケースが一般的です。
任意保険のロードサービスは、搬送先が決まっていなくても使える?
状況や契約内容によりますが、搬送先未定でも一時保管し、翌日以降に指定場所へ搬送する流れが取れる場合があります。 まずは保険会社へ状況を伝えて確認するのが確実です。
夜間に実費でレッカーを依頼するときの注意点は?
基本料金・夜間加算・搬送距離の考え方・追加費用条件(高速道路や特殊作業など)を事前に確認することが大切です。 とくに搬送距離によって総額が変わりやすい点に注意してください。


